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December 15, 2005

師走の歳時 其の弐

 嗚呼今年も討ち入りの季節になりました。

 12月14日と云えば本所吉良邸に武装した殺戮集団・赤穂浪士が討ち入りした日だ。と云っても実際には夜中の事で15日になっていたらしい。

 あの暴徒による理不尽で筋違いの敵討ちも地元では、もう既に和解しているらしい。まあ300年以上も前の事なので当たり前である。然し日本人は恨みの根深い民族らしく「壬申の乱以来、隣村とは仲が悪い」とか「関ヶ原の戦いで東西に分かれて以来、隣村とは口もきかない」という様な信じがたい事が現実にあるので高々300年で和解というのはお互いに良い人たちなのかも知れない。(「壬申の乱以来」とかの話は信じられない方も多いと思いますが、昨今の平成の大合併に於いて地元の方々がそれを理由に合併を反対したと云う現実は存在します)

 あの事件で一番可哀想なのは、吉良家の当主義周公ではなかろうか(当事者の義央は隠居して家督を譲っていた)。息子を上杉家に養子に出し、跡継ぎの居なかった吉良家に上杉家から養子(つまりお孫さんですね)に入ってから10年後、刃傷沙汰で突然家督を継ぐ事になり、防戦するも負傷し、これ又理不尽な幕府の対応で領地召上のうえ、諏訪安藝守忠虎(4代高島藩主)へお預けになって、約3年後寂しく病でなくなった。高島藩では悪い扱いを受けたとは思わないが、18歳の若者にとっては辛く寂しい日々であった事と思う。21歳!若過ぎる死に合掌。

 吉良義周公については長野県諏訪市の『特別展 元禄繚乱外伝 「吉良義周パネル展」』に詳しく載ってます。


 師走とは関係ない話ですが、最近「サリエーリ」という本を読んだ。
 「アマデウス」でモーツァルトを毒殺した犯人にされていた作曲家サリエーリの話です。結構面白かった。サリエーリはヴィーンの宮廷作曲家であり、モーツァルトの時代の人気作曲家でオペラも数多く書いているし、教育者としても大変多くの弟子を育てている。ベートーベン、シューベルト、リストなんかも彼の教えを受けている。仲々立派な人何でよ、サリエーリは。
 それを後世の作家達が悪人にしてしまった。サリエーリの生前から「モーツァルトを毒殺した犯人」の噂はあったが、全くのデマであった。一部の偏狭なドイツ音楽贔屓によるイタリア人作曲家に対するやっかみでしかなかった。もし彼がヴィーンの宮廷で音楽家として最高の地位にいなかったら、あんなデマは流されなかったであろう。
 面白可笑しくストーリーを進める為に作家達は、冤罪を産みだす。読み物としては面白くて良いかもしれないが、当事者や子孫、地元の人の気持ちは遣り切れないモノが有るであろう。架空の人物にするとかもう少し慮ってやれないモノだろうか?でも実在の人物の方がリアリティは出るもんなあ。其の方が読み物としては面白いよなあ。
 サリエーリと吉良、歴史上の冤罪は仲々スッキリとは晴れない。いつまでたってもこの二人を極悪人だと思う輩が居る。困ったモノだ。

 サリエーリの故郷イタリアのレニャーゴには「TeatroSalieri」があり、劇場の前には彼の胸像もある。
 この街で食べたリゾットは大変美味しかった。

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